セラミック、ジルコニアなどの審美歯科、審美治療について
セラミック、ジルコニアなどの審美歯科について
審美歯科とは簡単に言うと、お口の見える部分を綺麗にすること全般と
認識しています。
ただ、一般的には審美歯科、審美治療とは保険治療の銀歯や銀の詰め物、レジン前装冠などを
セラミックやジルコニアなどの変色しない歯の色に近いものに置き換えることを指すことが多いので
今回は前歯の被せに関する審美歯科について説明します。
今日は下の本を参考に自分なりに考察しながら説明します。
審美歯科の教本は海外からの知識そのものが多い。
この本には従来の黄金比以外に日本人特有の白銀比についても書かれていて勉強になります。
前歯の縦横の比率のことです。
黄金比は前歯の真ん中から1番目、2番目、3番目の順に
縦1に対して幅 1.618、1.00、0.618
白銀比は縦1に対し幅 1.414、1.00、0.707
です。
ただこの中の例の患者さんも日本人ですが、
黄金比を希望されとあり、結局は個人個人の好みだと考えるので
私は次の手順で審美治療を進めています。
まず歯の状態確認。
被せる範囲の歯は生きてる歯?死んでる歯?
生きてる歯の場合、一部詰め物があれば、やり直し必要なら、まず詰め直し。
死んでる歯の場合は根の治療ができているか?できてなければ根の治療をすます。
次にコア(中の芯)が入っているか?入ってなければコアを入れる。
次に、削った後に応急的に元の形の仮歯ができるように歯型を取ります。
次回までにその歯形用の仮歯用の道具を作ります。
次回、歯を実際に削り仮歯にするのですが、色だけの問題で元の形が気に入っている場合には、
取った型そのものから仮歯用の道具を作ります。
しかし形を綺麗ということでしたら取った歯型から綺麗な歯に形を変えてから仮歯用の道具を作ります。
下の写真が仮歯用の道具です。
次の予約の時に実際の歯を削り仮歯に変えます。
ただよくあるのが、前回型を取ったので、、、
今日、被せが入るんじゃろ?
いえいえ、あれは仮歯用の型で、まだ削ってないので
本当の被せはできてませんよ、、、
というやり取り。
をしたりしなかったりで、
歯を削り、仮歯用の道具で仮歯を作ります。
レジンという樹脂でいったん仮歯にして帰ってもらいます。
仮歯を見てもらった時に、こんな感じで良いですか?とお聞きして
喜んでもらえたら次回は本式の被せの型取り、
もう少し気になる感じであれば次回は仮歯を足したり削ったりして
ご希望の形に仕上げます。この時に黄金比や白銀比を参考にはしますが、
1番大事なのは、その患者さんが、その形を気にいってくれるかどうかと考えます。
日本人とひとくくりに言っても海外の人でしょ?!という方もいれば
やはり日本人ですよねーという方もいますから。
そういった歯の形を伝える仮歯をプロビジョナルと呼びます。
もちろん、形を変える場合には、その人を見てベストだと考える仮歯のかたちにします。
参考までに言うとガタイの良い男性なら角張った大きめの歯、
優しい女性なら角が丸い柔らかい感じの仮歯にします。
歯の角が角張っているとシャープな感じ、
丸まっていると女性的な優しい感じになります。
幅が広く縦横の比率が悪い場合には、歯肉を削り縦を長くする方法もありますが、
歯肉を削ってまでは、、、という方には歯の斜面をつけて見かけ上、ある程度細目に見えるようにもできます。
そうして大体気にいってもらえたら、次回、本式の型取りと参考として仮歯の模型を技工士さんに渡して
セラミックやジルコニアの被せを作ってもらいます。
できてきた被せを形や噛み合わせを調整して
保険外用の強い接着剤でセラミックやジルコニアなどの被せをつけます。
もちろん付ける前には外れないように歯と被せの内面に表面処理をほどこしますが。
下の写真の模型の正面向かって左側(右前歯)がジルコニアクラウン、
向かって右側(左前歯)が保険のレジン前装冠です。
色はもちろん変えられます。
もっと白くもできます。
模型なので、分かりやすいように、この色にしているだけです。
いい忘れましたが、型を取る時にシェードガイドという色見本で
患者さんに色を選択してもらって作ります。
ちなみに下が色見本のシェードガイドです。
つけた後、後日、異常がないか確認して終了ですが、
少なくとも半年に一度は歯のクリーニングに行かないと
長持ちしません。
うちでも開業当初に審美治療されて、欠かさずクリーニングに来られている方は
15年くらい経ちますが、良い状態を保たれています。
また、お許しが出たら15年前と今の写真出したいですね。
いかにメインテナンスが大事かわかるかと。
ながながと書きましたが、まだ説明しきれてない部分もあろうかと思いますが
前歯のセラミックやジルコニアなどの被せの流れについてお話しました。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。