ホームホワイトニングとは About home whitening
歯の表面に付いた着色汚れはクリーニングで除去できますが、エナメル質自体の黄ばみまでは落とせません。歯そのものの色を明るくするには、内部から漂白します。
当院では「ホームホワイトニング」を行なっています。
ホームホワイトニングを行なうには、まず歯科医院で専用のマウスピースを作ります。あとはご自宅にて患者さまご自身でマウスピースに薬剤を入れ、1日2時間程度歯列に装着します。
処置をご自宅で行なうことができ、通院回数が少なくすむので、気軽に始められる方法です。
市販のホワイトニング剤やオフィスホワイトニングとの違い
歯を白くするという効果をうたった市販のホワイトニング剤があります。日本では薬事法で成分が制限されていて、効果が薄いのが実情です。
オフィスホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士が行なう治療です。強い薬剤を用いるので、短期間で歯を白くすることができますが、色が元に戻りやすいというデメリットもあります。
- メリット
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- ご自宅で自分のタイミングでホワイトニングできる
- 低濃度の薬剤で歯にやさしく安全に漂白できる
- ホワイトニングの効果が長持ちする
- 費用を抑えて治療できる
- 薬剤を購入すれば何度でも実施できる
- デメリット
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- 白さを実感できるまでには時間がかかる
- ホワイトニング後は色の濃い食べ物を控える必要がある
- 毎日マウスピースを2時間装着しないといけない
ホワイトニング効果を長持ちさせるには
ホワイトニングした歯は、メンテナンスすることで白さを長く保つことができます。定期的なクリーニングで、歯垢や歯石、着色汚れを取り除きましょう。再ホワイトニングが必要かどうかも確認できます。
普段の生活では、着色しやすい食べ物などにも気をつけましょう。食べた後はすぐ水で口をゆすぐようにすると、着色予防になります。
控えたほうが良い食べ物
◇着色しやすい飲食物(ポリフェノール、アントシアニン、カフェインなどを含むもの)
赤ワイン、ブルーベリー、ぶどう、チョコレート、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、カレー、緑黄色野菜、など
◇歯を溶かす酸性の飲食物
酢、梅干し、クエン酸、炭酸飲料、タレやソース、ケチャップ、キムチ、トマト、いちご、かんきつ類、など
ホワイトニングができない歯
ホワイトニングができない歯
ホワイトニング剤で漂白できるのは、神経が通っている天然歯です。虫歯治療などで神経を抜いた歯は、白くすることができません。詰め物や被せ物などの人工物にも、効果はありません。
着色や変色が強すぎる歯 | 色の濃い食べ物を好んで食べていて着色度が強すぎると、ホワイトニングで白くするのに時間がかかります。 加齢による変色は、年齢を重ねると厚みを増す歯内部の象牙質の色味が原因なので、漂白に時間が必要です。 |
歯に縞模様が入っている | 歯の色が均一で無く、縞模様のような白色、または褐色が入っていると、ホワイトニングによってかえって模様が目立ってしまうことがあります。その段階をこらえて治療を続けていくことで、白く美しい歯になります。 |
歯に白いシミがある | 歯の表面に白濁したシミのようなものがある場合があります。このホワイトスポットとよばれる斑点があってもホワイトニングはできますが、目立たなくなるほど歯全体を白くするのには時間がかかります。 |
抗生物質による色素沈着 (テトラサイクリン歯) |
歯が形成される幼少期(0~12歳頃)に服用したテトラサイクリン系の抗生物質によって、歯に灰色がかった着色を引き起こしている場合があります。こうしたテトラサイクリン歯のホワイトニングには時間がかかります。 |
ホワイトニングができない方
- 妊娠中の女性
- 虫歯や歯周病など、歯のトラブルがある方
- 15歳未満の方
- 無カタラーゼ症(※)の方
ホワイトニングのリスク・副作用
- ホワイトニングは審美的治療となるので、保険適用外の自費負担です。保険診療よりも費用がかかります。
- ホームホワイトニングで用いる薬剤は、歯の表面の保護膜を溶かす「過酸化水素」を主成分としています。
- 薬剤で溶けた歯の保護膜は、24~48時間程度で元に戻ります。その間は、歯の表面が荒れやすいので注意が必要です。
- 薬剤の影響で、歯の神経が刺激されて知覚過敏になることがあります。
- ホームホワイトニングの薬剤は低濃度です。じっくりと漂白するので、効果を実感できるまでに時間がかかります。
- 患者さまご自身で行なうので、薬剤の量の調整や歯の色味の確認など、判断が難しい場合があります。